2.5 基本的な使用法

2.5.1 グラフの表示 : plot

では、f(x)=exp(-x/5)sin(x) のグラフを作って見ましょう。 次のように入力します。

gnuplot> plot exp(-x/5)*sin(x)
すると、ウインドウが開いて、Figure2.1のようなグラフが表示されます。

f(x)=exp(-x/5)sin(x) のグラフ

plotコマンドは実際にグラフを表示するコマンドです。使い方は、

plot expression {, expression ... }
です。expressionは、表示したいグラフの式です。変数はxを使います。 複数の式を同時に表示したい時は、カンマで区切って並べます。
gnuplot> plot exp(-x/5)*sin(x),exp(-x/5)
とすると、Figure2.2の様になります。

複数のグラフを表示

2.5.2 関数

式の中では、多くの関数が使えます。その一部を掲げます。

abs(x)
絶対値
cos(x)
コサイン
exp(x)
エクスポネンシャル
log(x)
自然対数
log10(x)
常用対数
sin(x)
サイン
sqrt(x)
平方根
tan(x)
タンジェント
gnuplot> help functions
とすると、全ての関数の説明をみる事ができます。

また、自分で関数を定義する事もできます。 例えば、f(x)=\sin(-x/2)を定義するには、

gnuplot> f(x)=sin(-x/2)
とします。定義した関数は自由に使えます。例えば、
gnuplot> g(x)=exp(-x/5)
gnuplot> f(x)=g(x)*sin(x)
gnuplot> plot f(x),g(x),-g(x)
とすれば、Figure2.3の様になります。

ユーザー関数の利用

2.5.3 演算子

GNUPLOTで使える演算子の一例には、次のようなものがあります。

--------
**
べき乗
--------
*
/
%
剰余
--------
+
-
--------

優先順位は上の方が強く同じ枠の中では同じ強さです。()を使えば優先順位を変更す る事ができます。 詳しくは

gnuplot> help operator
としてください。

2.5.4 指数形式の入力

数値に続けて e または E、その後に整数の値を入力する事により、指数形式の値を指 定できます。 例えば、 1.6*10-19は、

1.6e-19
または、
1.6E-19
と入力します。

2.5.5 定数

piは式中で使え、3.14159265358979 の値を持ちます。 また、自分で定数を定義する事もできます。例えば、

gnuplot> g0 = 9.8
とすると、これ以降の式の中で 9.8 の代わりに g0 を使う事ができます。

2.5.6 計算をする : print

printコマンドを使うと、GNUPLOT上で式を計算する事もできます。

print expression {, expression ...}
expresseionには、plotコマンドと同様の式を指定できます。

2.5.7 数値の扱いに関する注意

GNUPLOTでは、内部的に整数と実数(浮動小数点実数)の2つのデータ型を使っている らしく、割算を表す / は、演算対象がともに整数の時、結果が整数に なってしまいます。たとえば、

gnuplot> print 1 / 3
とすると、答が 0 になってしまいます。

これを避けるためには、

gnuplot> print 1. / 3 
または
gnuplot> print 1 / 3.
のように、どちらか、あるいは両方に .(小数点)をつけて下さい。 GNUPLOTは 小数点がついていると実数として扱うようで、 答が 0.333333 と正しく表示されます。

もちろん、これは print コマンドだけでなく、plotコマンドや関数定義など、 すべての式で起きる現象です。


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