=============================================================================== ディスクファイルドライバー取り扱い説明書 DFDRV.EXE Version 1.98 1998/01/19 presented by thomas, FEZ =============================================================================== ●動作環境 HardWare: V30(80186)並びに上位互換のCPU SoftWare: MS-DOS Ver 3.10, 5.00 並びに完全上位互換のDOS LIM EMM 4.0 と XMM(UMB) を利用可能な環境を推奨 ◎何をするものなのか? 皆さんはそのへんに転がっているディスクファイルをどうやって扱って いますか? 普通の人は様々なツールを使ってわざわざファイルを取り出し、それを 実行したり閲覧したりしていると思います。 ところが、このドライバを使えばディスクファイルがそのままドライブ になってしまうのです。これは言い換えれば、ディスクファイルのメン テナンスに既存の使い慣れたツール群をそのまま使用出来るということ であり、これによりユーザーはなんら迷うこと無くディスクファイルの メンテナンスを行うことが可能になります。 さらに、ディスクファイルの新規作成、ドライブからディスクファイル を作成、ディスクファイルをドライブに復元、等、ディスクファイルに 関する全ての作業をこの DFDRV.EXEはこなします。 DFDRV.EXE はさまざまなディスクファイルに対して直感的で統一された ユーザーインターフェースを提供します。 もうあなたはディスクファイルの扱いに手間取る事はないでしょう。 ◎対応ディスクファイル 現在ドライブ化可能なディスクファイルは以下11種(ただし正式対応は ◎印のみなので○印のものは対応出来ない可能性あり)。現存する圧縮 されていないディスクファイルフォーマットには大概対応していると思 います。 ◎ DCP.exe または DCU.com にて作成されるディスクファイル ◎ ディスクの全セクタを吸い出したベタディスクファイル ○ LoadDskF.exe にてディスケットに復元可能なディスクファイル ○ Wizard が作成する一部のディスクファイル ◎ MGSAVE.com にて作られるMSX似非RAMディスクファイル ○ PC-E500シリーズが作る RAMFILE ディスクファイル ◎ OS/2の VMDISK.exe にて作成されるディスクファイル ○ 98/Vの仮想パーティションディスクファイル ○ RFLEX.exe にて作成される一部のディスクファイル ○ XDFCOPY.exe にて作成されるディスクファイル ◎ DISKFILE.exeにて作成されるディスクファイル ◎それでは導入しましょう DFDRV.EXE はデバイスドライバですから、CONFIG.sysに登録しなければ 使用する事は出来ません。多少面倒に思われるかも知れませんが、この マニュアルを読みながら導入すれば簡単です。 さて、早速 CONFIG.sys 内に次の一行を追加してください。オプション 無しで動作するように出来ているので、とりあえず使ってみる程度なら オプションは必要ありません。 DEVICE= DFDRV.EXE [U=n] [F+n] [512|1K|2K] [NE] [NT] [JP] ・U=n 割り当てる仮想ドライブのユニット数を 1 〜 9 で指定します。 指定無しの場合は1ユニット割り当てて常駐します。 ・F+n ファイルシステムの同時オープン可能な最大ファイル数を、通常よ り n 多く割り当てます。通常は指定する必要はありません。 ・512 or 1K or 2K DOSがサポートしている1セクタあたりの最大バイト数を指定し ます。自動判定しますので指定してはいけません。 ・NE EMSを使用しなくなります。正常動作しない場合に付加してみて ください。通常は指定する必要はありません。 ・NT ブートセクタリードをトラップしなくなります。 通常は指定する必要は無いでしょう。 ・JP 日本語メッセージを積極的に使用します。英語環境で使用時には、 このオプションの指定にかかわらず英語で表示します。 ・# この文字以降は行末まで全て無視します。コメントに使用します。 さて CONFIG.sys を更新したなら、一度リブートしてみてください。 正常にデバイス部が組み込まれたでしょうか? 組み込めていない場合はドライブやパスをチェックしてください。 正常に組み込まれたのを確認したら次の項目に移ります。 ◎確認しましょう もしあなたが何等かのディスクキャッシュドライバを使用している場合、 注意しなければいけない事があります。 このドライバの性質上、キャッシュドライバの再入が問題になるのです。 そこで、ディスクキャッシュドライバに対して次の設定が必要になって きます(超重要)。 DFDRV.EXE が生成する仮想ドライブに対してキャッシングを無効にして 下さい。キャッシングを有効にした状態では、DFDRV.EXE が正常に動作 しないどころか、ディスクの論理破壊を引き起こす事があります。 ◎やっと使えます ここまできたらもう設定は必要ありません。ディスクファイルをドライ ブ化するという本来の目的を果たしましょう。 普通に使うには次の一行をコマンドラインから実行するだけです。 この行為を「ディスクファイルの挿入」と呼びます。 prompt> DFDRV diskfile{.ext} この操作により、ディスクファイルがドライブとしてアクセス可能にな ります。さぁ、挿入されたドライブにアクセスしてみてください。ドラ イブに対する全ての操作がディスクファイルに対して行われているのが わかるでしょうか。 さて、別のディスクファイルを挿入する場合、ディスケットと同じく排 出の手続きが必要です。単純に次のコマンドを実行してください。 prompt> DFDRV -E 言わずと知れたこの行為は「ディスクファイルの排出」です。 このように、DFDRV.EXE はディスクファイルをあたかもディスケットで あるが如く扱う事が出来ます。 基本的な操作方法はずばり、これでおしまいです。 使っててわからない事があれば -? オプションで表示されるコマンドラ インヘルプを参照してください。なにせこのマニュアルよりわかりやす いですので:-P 次の注意事項を一読すれば、あなたはもう DFDRV.EXEユーザーです。 ◎使用上の注意 +--------------------------------------------------------------+ | クラスタ再配置ツールを使用する場合 | +--------------------------------------------------------------+ ディスクファイルを挿入した状態で、そのディスクファイルが存在して いるドライブに対して、クラスタ再配置を行わないでください。再配置 を実行した後で書き込みをした場合、間違いなくディスクの論理破壊を 起こします。DFDRV.EXE 側でもある程度のチェックはしていますが、完 全ではありませんので絶対に忘れないでください。 もしディスクファイルを挿入したまま再配置を行ってしまった場合、仮 想ドライブにアクセス前にディスクをイジェクトして下さい。あるいは、 再配置終了時にリブートさせるのをお薦めします。 なお、仮想ドライブに挿入されているディスクファイルに対する再配置 は問題ありませんので、誤解なきよう:-) +--------------------------------------------------------------+ | ディスクキャッシュドライバの再入 | +--------------------------------------------------------------+ 冒頭でも述べましたが、DFDRV.EXE に挿入するディスクファイルが存在 しているドライブに対してディスクキャッシュを有効にしている場合、 DFDRV.EXE が生成する仮想ドライブに対してキャッシュを有効にすると キャッシュドライバ内部で再入を起こしてしまい、正常に動作しません。 故に、どちらかのドライブに対してはキャッシュを使用することが出来 ません。 ただし、コマンドラインから組み込める、デバイスフック型のディスク キャッシュドライバ(例えばSMARTDRV.exeなど)を使用している場合は、 キャッシュドライバを組み込む前に -R オプションを使用してリザーブ することにより、両方のドライブをキャッシング可能にすることが出来 ます。 現実問題として、ディスクキャッシュの併用によりパフォーマンスが何 倍にも上がりますので、併用を推奨します。ただし、何度も言いますが 使用法を間違えるとディスクの論理破壊を引き起こしますので、くれぐ れも併用する際には注意してください。 ※ -R オプションに関しては後述。 +--------------------------------------------------------------+ | ディスク圧縮ユーティリティの再入 | +--------------------------------------------------------------+ ディスクキャッシュドライバと同じく、使い方によってはディスク圧縮 ユーティリティ内部で再入を起こす事があります。再入してしまった場 合、恐らくシステムがハングアップするでしょう(作者経験談)。 これも最悪の場合はディスクの論理破壊を起こす可能性があります。 +--------------------------------------------------------------+ | Windows 3.1 上で使用する場合 | +--------------------------------------------------------------+ Windows 起動前に、ディスクファイルが存在しているドライブを操作の 対象として予約しておいてください。予約する事により、DFDRV.EXE は バッファメモリを静的に管理するようになります。 ・DFDRV -Ra -Rb -Rc A: B: 及び C: を以後の操作対象として予約します。 それ以外のドライブにあるディスクファイルを挿入した場合、まず 間違いなく不都合が起こります。 ※このオプションは、一般に起動バッチファイル内で使用します。 Windows 起動後は「MS-DOSプロンプト」から通常どおり制御可能です。 +--------------------------------------------------------------+ | Windows 95 上で使用する場合 | +--------------------------------------------------------------+ 次の様に設定してください。こうすれば一応動くはずです:-) ・まず上の Windows 3.1 で使用する場合と同じ設定が必要です。 ・プロパティでファイルシステムを選択し、トラブルシューティング内 の「新しいファイルの共有とロックの機能を使わない」にチェックし ます。 ・Windowsフォルダ内にある IOS.INI ファイルの2行目に DFDRV.EXEの 項目を追加します。 ・再起動してください。 +--------------------------------------------------------------+ | OS/2 Warp の仮想DOSマシン上で使用する場合 | +--------------------------------------------------------------+ DOSエミュレータではなく、本物のDOSを起動すれば、CONFIG.sys ファイルに DFDRV.EXE を登録できます。 ・FSFILTER.sys の後に DFDRV.EXE を登録してください。 ・DFDRV.EXE の仮想ドライブは仮想DOSマシン内でのみ有効です。 ・仮想ドライブへ対する書き込みはできません。 ・HPFSドライブ上に存在するディスクファイルは挿入できません。 ・できれば CDSFIX.com を常駐させてから使用して下さい。 +--------------------------------------------------------------+ | その他、各種DOSエミュレータ上で使用する場合 | +--------------------------------------------------------------+ DOSをインストールするタイプのエミュレータなら、動作させること が出来るでしょう。…多分。 +--------------------------------------------------------------+ | 各アプリケーションの仕様に関して | +--------------------------------------------------------------+ EMS メモリにディスクバッファを持つアプリケーションを使用する場合 (一部のクラスタ再配置ツール・ディスクコピーツール・ディスク倍増 ツールが該当)は、DFDRV.EXE の組み込み時に NE オプションを指定し、 EMS メモリを使わないようにする必要があります。 =============================================================================== オプション解説 =============================================================================== ◎ステータス画面の見方 直視的・直感的に状態を把握出来るようにまとめてあるので、これといっ て解説は必要無いはずですが、一応説明しておきます。 下は2ユニット確保時、ユニット1に C:\DISK1.DSK というファイルを 挿入している場合の実行例です。 Drv Unit status Diskfile name --- --------------- -------------------------- D: 2HD-1232K [HPL] C:\DISK1.DSK E: ** not ready ** ユニット1に相当する仮想ドライブ D: に C:\DISK1.DSK が挿入されて いますね。 ステータス大括弧内の HPL はそれぞれ、 H: ディスクファイルヘッダ有り P: ライトプロテクト有効 L: イジェクトロック有効(意味は後述) という意味を持ちます。 ユニット2に相当する仮想ドライブ E: は現在準備が出来ていない状態 であることがわかります。 ◎ -P オプション(Protection) このオプションでディスクファイルの書き込み許可・禁止を設定します。 ディスクファイルを挿入したての状態では、ディスクファイルのリード オンリー属性に従って設定されます。 ・DFDRV -P+ ライトプロテクト許可(=書き込み不可) ・DFDRV -P- ライトプロテクト禁止(=書き込み可) ・DFDRV -P* ライトプロテクト状態をトグル(実用にならない^^;) プロテクトされた状態では、ユニットへ対するいかなる書き込み要求も 受け入れられません。即ち、プロテクトを有効にした状態ではディスク ファイルを完全に保護することができます。 ◎ -L オプション(Lock) このオプションでディスクファイル排出の許可・禁止を設定します。 ディスクファイルを挿入したばかりの状態ではこのイジェクトロックは 無効になっています。 ・DFDRV -L+ ユニットに挿入されているディスクファイルをロック ・DFDRV -L- ユニットに挿入されているディスクファイルをアンロック ・DFDRV -L* ロック状態をトグル(実用にならない^^;) ロックされた状態では、マニュアルイジェクト(DFDRV -E)を実行しても イジェクトされなくなります。 但し、ディスクファイル削除時などのオートイジェクトはいかなる場合 でも働きますので、このオプションを指定したからといって完全に排出 が禁止される訳ではありません。 ◎ -E オプション(Eject) これを知らなきゃ DFDRV.EXEは使えない:-) ・DFDRV -E ユニットにマウントされているディスクファイルをイジェクトしま す。ユニットは初期状態に戻ります。 ・DFDRV -EA 全ユニットにマウントされているディスクファイルをイジェクトし ます。全ユニットは初期状態に戻ります。 但しいずれの場合も、ロックされているユニットは排出されません。 ◎ -R オプション(Reserve drive) DFDRV.EXE はデフォルトではバッファをダイナミックに確保して使用す るため、Windows 上で動作させる際に不都合が生じます。このオプショ ンを使用してバッファをスタティックに確保することが可能です。 ・DFDRV -RA -RB A: B: に対するディスクバッファをスタティックに確保します。 DOS 5 以上を使用していて UMBに空きがある場合、そちらから優先 的に使用します。 ダイナミックにメモリを確保するのは実は多少問題があり、メモリに余 裕があるなら、AUTOEXEC.bat内で全てのドライブに対して確保するのが 理想的です。 ◎ -n オプション(unit number) 複数のユニットを組み込んだ場合に、2番目以降のユニットを制御する ために存在するオプションです。単純に数字で指定してください。 このオプション以降のオペレーションは全て指定のユニットに対して行 われるようになります。 ・DFDRV -2 -E 2番目のユニットを排出。 ・DFDRV -3 -E test.dsk 3番目のユニットを排出後、3番目のユニットに挿入。 一度指定したユニット番号は、その行内で次に -n, -Dc, -I のどれかが 指定されるまで有効です。 ◎ -Dc オプション(Drive character) 機能としては -n オプションと同等ですが、こちらは対象となる論理ド ライブを直接指定できます。ドライブを入れ換えてあるときなどに使用 すると便利です。指定した論理ドライブが DFDRV.EXEの仮想ドライブで ない場合はエラーとなり、ユニット番号は以前の物が使われます。 ・DFDRV -DE -E ドライブE:に相当するユニットを排出。 ・DFDRV -DF test.dsk ドライブF:に相当するユニットに挿入。 一度指定したドライブ記号は、その行内で次に -n, -Dc, -I のどれかが 指定されるまで有効です。 ◎ -I オプション(Incremental insert) DFDRV.EXE 内部では、挿入前に空きユニットを探す処理を有効にするフ ラグを立てます。一般的には以下のような例が想定されます。 ・DFDRV -EA -I disk1 disk2 disk3 ... まず全てのユニットをイジェクト。次に -I オプションが有効化。 disk1 挿入時に空きユニットを探し、ユニット1に disk1を挿入、 disk2 挿入時に空きユニットを探し、ユニット2に disk2を挿入… 以下繰り返す事によって結果的に順番に挿入される事になります。 ・DFDRV -EA -I disk1 -P+ disk2 -P+ disk3 -P+ ... 上の例に加えて、挿入するごとにライトプロテクトを設定します。 ・DFDRV -EA -I -F -B disk1.dsk -F -B disk2.dsk -F -B disk3.dsk -F オプションとの併用も可能です。 一度指定すると、その行内で次に -n, -Dc のどれかが指定されるまで 有効です。 ◎ -S オプション(Scan diskfile) ディスクファイルを走査して、DFDRV.EXE が標準では認識できない形式 のディスクファイルを挿入しようと試みます。 挿入するには、以下の4つの条件を満たしている必要があります。 ・ブートセクタ先頭が $EB or $E9 or $60 であること。 ・ブートセクタのBPBが正常なものであること。 ・ディスクの全イメージがそのままファイル化されていること。 ・ディスクイメージの後ろにフッタが付いていないこと。 USER TYPE ディスクファイルにヘッダが付いただけの簡単な物ならこの オプションで挿入できるようになります。 また、ディスクファイルでない大きなファイルを走査した場合、走査が 終了するまでに相当な時間がかかりますので御了承ください。 ◎ -F オプション(Format) ディスクファイルの新規作成をサポートしています。FDディスクファ イルの他、USER TYPE ディスクファイルも作成することが可能です。 以下のような使用例が挙げられます。 ・DFDRV -F:1.44 test.dcp test.dcp という DCP タイプディスクファイルを作成します。 ・DFDRV -F:720 -B test.dsk test.dsk というベタディスクファイルを作成します。 ・DFDRV -F:[20M] test.dsk 20MB のベタディスクファイルを作成します(BPBおまかせ方式)。 通常はこの方法でディスクファイルを作成してください。この方法 は最も無駄のないパラメータでディスクファイルを作成します。 ・DFDRV -F:[1K,1,1,1,128,1K,$F8,,16,2] test.dsk 1MB のベタディスクファイルを作成します(BPBカスタム方式)。 この方法はMS-DOSの知識をある程度必要とします。妙なパラメータ でも平気で受け付けますので、作成には十分注意してください。 なお、同時に以下のオプション群を指定することが出来ます。 ・-A :全てのセクタを初期化。 ・-B :FDディスクファイル作成時にベタディスクファイルを作成。 ・-O :上書きに対する確認をしない。 ・-I :インクリメンタルインサートモード。 詳しくはコマンドラインヘルプを参照してください(DFDRV -F?)。 ◎ -C オプション(Copy) ディスクファイルの吸い出しと吐き出しをサポートしています。 以下のような使用例が挙げられます。 ・DFDRV -C c: sample.dsk c:を sample.dsk に保存します。 ・DFDRV -C sample.dsk c: sample.dsk を c:に復元します。ただし、c:のドライブはあらかじ め同じパラメータで論理フォーマットされている必要があります。 なお、同時に以下のオプション群を指定することが出来ます。 ・-A :全てのセクタを扱う。 ・-B :FDディスクファイル作成時にベタディスクファイルを作成。 ・-O :上書きに対する確認をしない。 ・-I :ディスクエラーを無視する。 詳しくはコマンドラインヘルプを参照してください(DFDRV -C?)。 FDD に対するアクセスはわりと遅めです。なにせDOS汎用ですから:^) しかし、強力なヘッダ診断・修正エンジンを搭載していますので、この オプションで正常に復元できないディスクファイルは、まずないでしょ う。他ツールで正常に復元できなくて困った時には、試してみて下さい。 DOS汎用のツールとしては、かなりよく出来ていると自負してます。 DOS/Vでも1KセクタFDをちゃんと扱えますし。 ん?圧縮しないのは当たり前:-) ※ベタ、DCP,DCU 形式以外のディスクファイルは扱えません。 ※drive → drive, diskfile → diskfile はサポートしていません。 ◎ -# オプション(more detail information) もともとはデバッギングのためのオプションなので、実用には耐えない かもしれません。気が向いたら実行してみてくださいね:) =============================================================================== DFDRV.EXE を理解する =============================================================================== ◎USER TYPE ディスクファイルとは? 可変長のヘッダを持ち、ドライブパラメータ(BPB) 可変で、全てのディ スクイメージがそのまま格納されているディスクファイルのことです。 このディスクファイルを、USER TYPE ディスクファイルと呼びます。 これにより、ラムディスクのディスクファイルを挿入したり、さらには MOD、HDD等のディスクファイルを挿入することも可能になります。 応用例としては、 1: ドライブをディスクファイルとして高速バックアップ > DFDRV -C d: backup.dsk 2: 小さい大量のファイルをディスクファイルにまとめておく > DFDRV -F:[10M] manyfile.dsk 3: MO互換パーティションを切る代わりに、MOディスクファイルを作る > DFDRV -F:230M mo.dsk などが挙げられますが、とにかくこの USER TYPE ディスクファイルは 汎用性がありすぎて、今までFDディスクファイルしか扱った事の無い 人にはピンとこないものがあるかもしれません。 ◎ディスクファイルのネスティング ディスクファイルの中のディスクファイルを挿入することができます。 ただし、1ユニットに1ディスクファイルが原則ですから、2ユニット 以上を確保しておくことが前提となります。 使用例としては、MOディスクファイルの中のFDディスクファイルを 挿入することができたりするわけですね:-P なお、スタックサイズの都合上、ネスト回数は1回に限定しています。 ◎ドライブマウント(ドライブのエイリアス) 仮想ドライブに論理ドライブ自身をマウントすることが出来ます。即ち、 他の論理ドライブのイメージを DFDRV.EXEの仮想ドライブに反映させる ことが可能になります。 ・DFDRV A: Aドライブそのものをユニットにマウントします。 ユニット1のドライブには論理ドライブ A: でアクセス可能なドラ イブの内容がそのまま反映されます。 この機能は一見すると無意味なようですが、ちょっと考えてみれば非常 に有用であることに気がつきます。 1: 仮想ドライブのライトプロテクトを有効にすることにより、ドライ ブへのライトアクセスを一切禁止することが可能。 2: G-IOCTL を搭載していないデバイスドライバをマウントすることに より、仮想ドライブを通して G-IOCTLを有効にすることが可能。 特に2番目の利用法は強力で、G-IOCTL 未対応のデバイスドライバを、 G-IOCTL 対応のデバイスドライバに化けさせることが可能になるのです。 PC-98x1 シリーズで使用する場合、さらに DFVFD.comを併用する事によ りFD互換ドライブ方面では最強の環境になるでしょう。 ◎オプションの列挙 DFDRV.EXE のオプション解析部は逐次解析実行型で、コマンドラインの 左のほうから順番に実行していきます。例えば、 ・DFDRV -E ・DFDRV -2 -E という一連のコマンドは DFDRV -E -2 -E と同値ですし、 ・DFDRV -E ・DFDRV test.dsk という一連のコマンドは DFDRV -E test.dsk と同値です。 理解不可能なオプションを指定した場合は、その時点でヘルプを表示し て止まりますので、 ・DFDRV -E -? test.dsk というコマンドを実行しても、排出はしますが挿入はされません。 ◎スタック切り替え DFDRV.EXE はスタックを多く消費するため、自前のローカルスタックに 切り替えてから作業を行いますが、場合によっては切り換えをしたくな い事もあるかもしれません。この場合、CONFIG.sys内オプションに NS オプションを指定することによりスタックを切り替えないようになりま す。それと同時に常駐量がスタックサイズ分減り(EMSメモリ使用時)、 ネストレベルに関する制限がなくなります。 安易に使用した場合、システムに致命的なダメージを与えることがあり ますので、使用にあたってはシステムを完全に理解していることが前提 となります。 ◎特殊パス ファイル名を""(double quote)で括ることにより、特殊パスを使用可能 になります。具体的には、'-' で始まるファイル名・半角スペースを含 むファイル名・小文字ファイル名、等を扱うことが可能になります。 ・DFDRV "X68k.DSK" ディスクファイル挿入(大文字小文字を区別します)。 ・DFDRV -F:1440 "-1-.DSK" ハイフンで始まるディスクファイルを作成、挿入。 あくまでも裏技なので、MS-DOSに詳しい人だけ使ってください:-) ◎セクタサイズ ディスクファイルのセクタサイズがシステムの管理するセクタサイズよ り大きい場合は、セクタサイズを騙して挿入しようと試みます。これに より、1KB/Sや2KB/Sのディスクファイルを512B/SのDOSで管理する事 が可能になります。これに付随して以下の仕様があります。 ・NT オプション非指定時 ブートセクタが読まれた場合、BPB としてシステムで使用している適切 なものを返します。オリジナルのブートセクタが読めなくなるかわりに システムの整合性は最大限に保たれます。 ・NT オプション指定時 ブートセクタが読まれた場合、オリジナルのブートセクタを返します。 ブートセクタに格納されているBPB とシステムで使用するBPB との間で 矛盾が生じることになるため、正常に動作しないアプリケーションが稀 に存在するかもしれません。 ◎デバイスドライバサポート 次のファンクションをサポートしています。 $00: initialize $01: media replace check $02: build BPB $03: read IOCTL $04: read $08: write $09: write with verify $0D: device open $0E: device close $0F: removable media $13: generic IOCTL $17: get logical drive map $18: set logical drive map $19: generic IOCTL query ◎G-IOCTL サポート 全てのディスク形式に於いて、次のマイナー番号をサポートしています。 $40,$60: Set,Get device parameter $41,$61: Write,Read track $42,$62: Format,Verify track $46,$66: Set,Get media ID $47,$67: Set,Get access flag 現存するアプリは大概動くでしょう。 PC-DOS J6.3/Vの FORMAT.com と DISKCOPY.com は動作確認しました。 ※ $42,$62: Format,Verify track は実際には何もしません。 ◎コマンドライン返り値 コマンドラインから DFDRV.EXEを実行した際の返り値は、 255 : CONFIG.sysにインストールされていない場合 1 : コマンドラインオプションに何等かのエラーがあった場合 0 : エラー無し、正常終了 それぞれが ERRORLEVEL として返ります。 バッチファイル中のインストールチェックは DFDRV >NUL とでもすれば 良いでしょう。 ◎各ディスクファイルの特殊仕様 ・トラックマップが完全に埋まっていないディスクファイルを挿入した場 合、デフォルトで書き込み禁止状態に設定します。 これにより安易な書き込みはできないようになっていますが、どうして も書き込みを行いたい場合は挿入後に -P-オプションにて書き込み可能 に設定することにより可能です。 ・DskF形式のディスクファイルは、無圧縮形式のみサポートしています。 なお、挿入時に自動的に書き込み禁止に設定します(書き込んだ場合、 LoadDskFでディスケットに復元することができなくなる可能性が出てく るため)。 ・XDF 形式のディスクファイルはリードアクセスのみ正常に行うことが出 来ます。書き込みを行った場合にはディスクファイルが破壊されますの で、あらかじめプロテクトをかけて使用することをお薦めします。 ・PC-E500シリーズのRAMFILEはMS-DOSのファイルシステムと若干異なるた め、ディスクを直接アクセスする一部のアプリで不都合が起こる事があ ります。できるだけその手のアプリは使用しないでください:-) ◎その他の仕様 ・SHARE.exe 常駐時、ユニットにオープンされたファイルが存在している 場合にマニュアルイジェクトは一切禁止されます。イジェクト出来ない 場合は、オープンされたファイルを全てクローズした上で再度イジェク トを試みてください。どうやってもイジェクト出来ない場合はシステム の異常が考えられますので、リブートするのが良いでしょう。 ・ディスクファイルが存在しているドライブのブートセクタの、ボリュー ムラベル・ボリュームシリアル番号が書き換えられた場合、ディスクが 交換されたものとみなしてオートイジェクトが働きます。これは安全性 を最重視している都合上、やむを得ないことなので御了承ください。 ・ネットワークドライブ上のディスクファイルは挿入出来ません。例えば、 CD-ROMの中のディスクファイルを挿入する事は出来ません。 一旦、HDDやRAMDISK等にコピーするなどしてから挿入してください。 ・ディスクファイルの拡張子は一切見ていません。ディスクファイルの種 別判定などは全てファイル内部を調べて行っています。 ・DOS 3.x で動作することになってますが、今となっては作者の方で確認 する手段がありませんので、もしかすると動作しないかもしれません。 不具合報告があるようでしたらなんとかします。 ・このバージョンには DFDRV API rev.5 が搭載されています。 DFDRV API 使用アプリケーションを御利用の際には、各アプリケーショ ンの説明書を良くお読みください。 ●云々 このドキュメント及びドライバー本体の著作権は、thomas 及び FEZ が保有します。アーカイブの内容を変更しない限り転載は自由ですが、 営利目的の販売等は一切禁止します。 転載する場合、下記のIDに連絡を頂けると非常に嬉しいです。 感想、要望、バグレポート、苦情、なども下記IDでお待ちしています。 なお、本プログラムを使用したことによって生じたいかなる障害、損害 に対しても、作者である thomas 及び FEZ は、責任を負うことはあ りません。各使用者の責任のもとに使用してください。 ●連絡先 FENIX FEN003 thomas NIFTY-Serve HHD02623 thomas@koken.club.uec.ac.jp FENIX SYSOP FEZ fez@koken.club.uec.ac.jp