CD-R Audio disc の怪を解く

昔から CD-R オーディオは音が悪いという噂が絶えないが、 これについて検証する機会が出来たのでその時の結果をまとめてみたいと思う。


■現象

実験:CDとCD-RとCD-RWの聴き比べ
結果:CD≧CD-RW>CD-R

実験:CD-Rの縁を緑のペンで塗ってみる
結果:多少改善

■検証

実験:CDレコーダで焼いたCD-Rの記録状態はどうか?
方法:マスターCDと焼いたCD-RをPCで吸い出してみてバイナリ比較。
結果:ノーエラー。マスターCDと完全に同じデータが出力されていた。

実験:緑で塗る前のCD-RをCDプレーヤで再生した時のSPDIF出力はどうか?
方法:CDプレーヤの光出力をPCで取り込んで上で吸い出したファイルとバイナリ比較。
結果:ノーエラー。マスターCDと完全に同じデータが出力されていた。

■使用機材

CD焼き込み環境

CLD-C5G → DSP-R995 → PDR-D5
かなり古めのLDコンパチプレーヤの光出力をAVアンプを通してCDレコーダに入力。

CD再生環境(試聴環境)

PDV-LC20TV → MDR-NC10 (Head Phone)
最新のポータブルDVDプレーヤにて再生&光出力。ヘッドホンがプアだが気にするな!

データ取り込み環境

わりと普通のPC。

■推測

デジタルデータに差異が皆無というところから、純粋にプレーヤ側のアナログ部分に帰着することが明らかになった。 さて、考えられる理由は…ただ一つしかあるまい。
DAC,Ampの電源電圧変動による出力変動のみ。
DAC,Ampの電源を完全に独立させるのが理想だ。(後述)

考えてもみよう。1Vp-pで16bitの分解能があるとしよう。この場合、約15uVの分解能が必要となる。 さらに24bitに拡張された出力ではどうか?この場合は、約60pVの分解能にまで達する。 現代電気回路学では、この60pVの分解能を一般家庭にもたらす事は不可能と断言しても良いのではないか。

本題に戻すと、CD-Rの場合は焼きムラによる中途半端な反射率が存在するために、 ピックアップ出力や駆動系のフィードバック値の変動率がCDやCD-RWに比べて大きいのではないだろうか。 変動率が大きいということは、追従させるための電流変動も大きくなるというわけだ。 周辺部を緑で塗るという行為は、乱反射を押さえる事が出来、この変動を抑える効果があると思われる。

この推測から、次の項目を導き出した。ただ下記項目はあくまでも推論に過ぎないのだが。

■お金をかけない Pure Audio

■真の Pure Audio を目指すために

■蛇足

この推論が正しければ、PCで Pure Audio を語る事は不可能。何年先でもこの定義は適用されるだろう。

■謝辞

私のタコ部屋でPCによるデータ解析と聴き比べを行ってくれたGYRO氏と壱丸零弐氏に感謝。
当時その場はピュアオーディオ研究同好会と化した事を追記しておく(笑)


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