Daemons and Witches〜Meg編〜


FreeBSD上でMegのリモートシェルと通信し、.fxファイルの転送・実行を 行なってみましょう。

通信ソフトはXMODEMが使えれば何でもいいのですが、ここではコンソール上で 動作する、minicomというソフトを使用します。 minicomが使える環境なら、FreeBSD以外でも同じように実行できると思います。

1. セットアップ

FreeBSDの場合、Package/Portsでインストールします。 その後、rootになって初期設定を行ないます。

[prunus]~$ su
Password:
su-2.04# minicom -s

なお、ユーザごとに設定ファイルを持つことも可能なので、 最小限の設定を行い、細い設定はユーザごとに行うこともできます。 複数の設定ファイルを使いわけることもできるので、個人用システムでない場合や、 minicomを他の用途(パソコン通信とか、組込みシステム開発とか)に使う場合は その方がいいでしょう。

minicom -sを実行すると、次のような画面になるので、カーソルキー で項目を選び、Enterで決定します。

(Aug 10,2000 追加):カーソルキーでなく、j,kで項目を選ぶこともできます。

            +-----[configuration]------+
            | Filenames and paths      |
            | File transfer protocols  |
            | Serial port setup        |
            | Modem and dialing        |
            | Screen and keyboard      |
            | Save setup as dfl        |
            | Save setup as..          |
            | Exit                     |
            | Exit from Minicom        |
            +--------------------------+

サブメニューでは、a-zの各キーを押して項目を設定します。 とくに指示のないときは、Enterでサブメニューから抜けます。

まず[Serial ports setup]を選び、シリアルポートの設定を行います。

    +-----------------------------------------------------------------------+
    | A -    Serial Device      : /dev/modem                                | 
    | B - Lockfile Location     : /var/spool/uucp                           |
    | C -   Callin Program      :                                           |
    | D -  Callout Program      :                                           |
    | E -    Bps/Par/Bits       : 57600 8N1                                 |
    | F - Hardware Flow Control : Yes                                       |
    | G - Software Flow Control : No                                        |
    |                                                                       |
    |    Change which setting?                                              |
    +-----------------------------------------------------------------------+

好みに応じて、次のような設定も行います。必要な設定を終えたら、 [Save setup as dfl]を選択して保存し、[Exit from Minicom]でminicomを 終了します。

1.1. [Modem and dialing] -> [A - Init string]

モデム初期化コードの設定です。そのままでも問題ないと 思いますが、いちおう空にしておきます。 なおmincom起動時に-oオプションをつけ、モデム初期化を行わないという方法も あります。

1.2. [File transfer protocols] ->[N - Use filename selection window]

ファイル送受信時に、ファイル選択ウインドゥを使用するか設定します。 Noにすると、直接ファイル名を入力するようになります。

このウインドゥは使い方がよくわからないので、Noにしておきます。

2. とりあえず使う

では、実際にプログラムを転送して実行してみましょう。

2.1. minicomの操作方法

転送する.fxファイルのあるディレクトリで、minicomを起動します。

Welcome to minicom 1.83.1

OPTIONS: History Buffer, F-key Macros, Search History Buffer, 
Compiled on Jul 21 2000, 19:26:03.

Press CTRL-A Z for help on special keys

ここで「Press CTRL-A Z for help on special keys」と表示されている場合、 Ctrl-Aがエスケープキャラクタなので、Ctrl-Aに続けてa-zの各キーを入力すると 対応したコマンドを実行することができます。

zコマンドはコマンド一覧を表示するコマンドで、 この画面からコマンドを選んで実行することもできます。 最初はとりあえずCtrl-A zとタイプしてみましょう。

+-------------------------------------------------------------------+ 
|                     Minicom Command Summary                       | 
|                                                                   | 
|          Commands can be called by CTRL-A <key>                   |
|                                                                   | 
|               Main Functions                  Other Functions     | 
|                                                                   | 
| Dialing directory..D  run script (Go)....G | Clear Screen.......C | 
| Send files.........S  Receive files......R | cOnfigure Minicom..O | 
| comm Parameters....P  Add linefeed.......A | Suspend minicom....J | 
| Capture on/off.....L  Hangup.............H | eXit and reset.....X | 
| send break.........F  initialize Modem...M | Quit with no reset.Q | 
| Terminal settings..T  run Kermit.........K | Cursor key mode....I | 
| lineWrap on/off....W  local Echo on/off..E | Help screen........Z | 
|                                            | scroll Back........B | 
|                                                                   | 
|      Select function or press Enter for none.                     | 
|                                                                   | 
|             Written by Miquel van Smoorenburg 1991-1995           | 
|             Some additions by Jukka Lahtinen 1997-1999            | 
|             i18n by Arnaldo Carvalho de Melo 1998                 | 
+-------------------------------------------------------------------+
                       コマンド一覧

バージョンや設定によっては、エスケープキャタクタがCtrl-A以外になっていたり、 Metaキーとa-zの各キーを同時に押す場合もあります。 後者の場合、起動時に「Press ALT-Z for ...」と表示されます。

このあたりの設定は、[cOnfigure Minicom]コマンド(o) -> [Screen and keyboard] で設定可能です。

minicomを終了させるには、 [Quit with no reset]コマンド(q)を実行します。 また、 [Suspend minicom]コマンド(j)でサスペンドさせることもできます。

2.2. リモートシェルの起動

WonderWitchを通信画面にします(マニュアルP.9参照)。 その状態で、空行を送信する(Enterを1〜2回押す)と、リモートシェルが インタラクティブモードになり、「meg>」というプロンプトが表示されます。

2.3. ファイルの送信

WonderWitch(WonderSwan本体側)のメニューから、[XM受信]を選ぶと、 XMODEM受信状態になります。この状態で、minicomから.fxファイルを転送します。

[Send fies]コマンド(s)を実行すると、送信プロトコルの選択画面になるので、 [xmodem]を選びます。その後、ファイル名を入力 (ファイル選択ウインドゥをNoに設定した場合)すると、送信を開始します。

+-[Upload]--+                                  
| zmodem    |                                  
| ymodem    |                                  
| xmodem    |                                  
| kermit    |                                  
| ascii     |                                  
+-----------+ 
  プロトコル選択画面


+-----------------------------------------+              
|Please enter file names                  |              
|> jump.fx                                |              
+-----------------------------------------+
  ファイル名入力画面


+----------------[xmodem upload - Press CTRL-C to quit]----------------+
|Sending jump.fx, 52 blocks: Give your local XMODEM receive command now|
|.                                                                     |
|Xmodem sectors/kbytes sent:  10/ 1k                                   |
|                                                                      |
|                                                                      |
|                                                                      |
|                                                                      |
+----------------------------------------------------------------------+
  送信中の画面

送信が終了したら、WonderWitchをランチャ画面に切り替え、 転送したプログラムを実行します。

なお、転送するファイルと同名のファイルがすでに存在する場合は エラーになります。その場合は、ファイル画面でファイルを消してから転送します。

3. リモートシェルから操作しよう

転送・実行を繰り返すとき、毎回WonderSwanを操作するのは面倒なので、 リモートシェルから操作します。また、WonderWitchのメニューになく、 TransMagicかリモートシェルでしか実行できないこともあります。

コマンドの詳しい説明はマニュアルを参照して下さい。 ここでは重要なコマンドについて説明します。

3.1. ls : ファイル一覧

ファイル一覧を表示します。/rom0か/ram0を指定します。

-lオプションをつけると、詳細情報が表示されます。この場合、ファイルの説明は シフトJISで表示されるので、コンソールがシフトJISを表示できるようにしておく 必要があります。たとえばktermであれば、 [VT Options](Ctrl-マウス中ボタン) -> [Shift-Jis Mode]を選択します。

実行例

meg> ls -l /rom0
125 STARTING
total 2 files
jump             -rwx-   6596 2000-07-28 18:23:06 FallingTower
luna             -rwx-   2568 2000-06-21 11:51:02 月面着陸
.
200 OK
meg> 

3.2. pwd : カレントディレクトリ表示

カレントディレクトリを表示します。

実行例

meg> pwd
125 STARTING
/rom0/
200 OK
meg> 

3.3. : カレントディレクトリ変更

カレントディレクトリを変更します。現在のところ、/rom0と/ram0しか指定できない ようです。

meg> cd /ram0
125 STARTING
200 OK
meg> pwd
125 STARTING
/ram0/
200 OK

3.4. put : ファイル送信

ファイルを送信します。転送先(プログラムを転送するときは、普通/rom0) を指定します。ファイル名も指定できます。 同じディレクトリに、同名のファイルがあるときはエラーになります。 また、ファイル名は異なっていても、説明の文字列が同じときはエラーになります。

実行すると受信状態になるので、XMODEMで送信します。送信方法は前述の通りです。

実行例

meg> put /rom0
350 FURTHER INFO
      (この状態で送信する)
 200 OK
meg>

3.5. delete : ファイル削除

ファイルを削除します。 プログラムを転送する前に、同名のファイルを消しておきます。

ファイル名をフルパスで指定しないことも可能です。その場合、カレントディレクトリ 上のファイルが削除されます。

実行例

meg> pwd
125 STARTING
/rom0/
200 OK
meg> ls /rom0
125 STARTING
total 2 files
jump
luna
.
200 OK
meg> delete jump
125 STARTING
200 OK
meg> delete /rom0/luna
125 STARTING
200 OK
meg> ls /rom0
125 STARTING
total 0 files
.
200 OK
meg>

3.6. defrag : デフラグ

ファイルシステムを整理し、残り容量を増します。rom0かram0を指定します。

実行例

meg> defrag rom0
125 STARTING
200 OK
meg>

3.6. date : RTC設定

RTCを設定します。引数を省略すると現在の日付・時間が表示されます。 引数の書式は、YYYYMMDDhhmm.ss です。

実行例

meg> date 200007282159.00
125 STARTING
200 OK 
meg> date
125 STARTING
2000-07-28 21:59:03
200 OK
meg>

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