GNU 劣等一般公衆利用許諾契約書 バージョン 2.1、1999年2月 日本語訳、2002年8月14日 Copyright (C) 1991, 1999 Free Software Foundation, Inc. 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111-1307 USA この利用許諾契約書を、一字一句そのままに複製し頒布することは許可する。 しかし改変は認めない。 [これは劣等GPLとしては最初の公開版です。劣等GPLはGNU ライブラリ公衆利用許諾契約 書バージョン2の後継とみなされるので、バージョン番号は2.1となっています。] This is an unofficial translation of the GNU Lesser General Public License into Japanese. It was not published by the Free Software Foundation, and does not legally state the distribution terms for software that uses the GNU LGPL--only the original English text of the GNU LGPL does that. However, we hope that this translation will help Japanese speakers understand the GNU LGPL better. (訳: 以下はGNU Lesser General Public Licenseの非公式な日本語訳です。これはフリ ーソフトウェア財団(the Free Software Foundation)によって発表されたものではなく 、GNU LGPLを適用したソフトウェアの頒布条件を法的に有効な形で述べたものではあり ません。頒布条件としてはGNU LGPLの英語版テキストで指定されているもののみが有効 です。しかしながら、私たちはこの翻訳が、日本語を使用する人々にとってGNU LGPLを より良く理解する助けとなることを望んでいます。) 翻訳は八田真行が行った。原文はhttp://www.gnu.org/licenses/ lgpl.html である。誤訳の指摘や改善案を歓迎する。 はじめに ソフトウェア向けライセンスの大半は、あなたがそのソフトウェアを共有したり変更し たりする自由を奪うよう設計されています。対照的に、各種のGNU 一般公衆利用許諾契 約書は、あなたがフリーソフトウェアを共有したり改変したりする自由を保証する--す なわち、ソフトウェアがそのユーザすべてにとってフリーであることを保証することを 目的としています。 このライセンス、「劣等一般公衆利用許諾契約書」は、フリーソフトウェア財団やこの 契約書を適用すると決めたフリーソフトウェア財団以外の作者による特定のソフトウェ アパッケージ--典型的にはライブラリ--のいくつかに適用されます。あなたもこの契約 書を適用することができますが、私たちとしてはまず最初に、ある特定の用途において この契約書と通常の一般公衆利用許諾契約書のどちらを適用するのが戦略としてより優 れているかを、以下の説明に即して注意深く考えてみることをおすすめします。 私たちがフリーソフトウェアと言うとき、それは利用の自由について言及しているので あって、価格は問題にしていません。私たちの提示する各種一般公衆利用許諾契約書は 、あなたがフリーソフトウェアの複製を頒布する自由を保証するよう設計されています (希望に応じてその種のサービスに手数料を課す自由も保証されます)。また、あなたが ソースコードを受け取るか、あるいは望めばそれを入手することが可能であるというこ と、あなたがソフトウェアを変更し、その一部を新たなフリーのプログラムで利用でき るということ、そして、以上で述べたようなことができるということがあなたに知らさ れるということも保証されます。 あなたの権利を守るため、私たちはライブラリを頒布する者があなたの有するこれらの 権利を否定することや、これらの権利を放棄するよう要求することを禁止するという制 限を加える必要があります。よって、あなたがライブラリの複製物を頒布したりそれを 変更したりする場合には、そういった制限のためにあなたにある種の責任が発生するこ とになります。 例えば、もしあなたがライブラリの複製物を頒布する場合、有料か無料かに関わらず、 あなたは私たちがあなたに与えた権利を全て受領者に与えなければなりません。また、 あなたは彼らもソースコードを受け取るか手に入れることができるよう保証しなければ なりません。もしあなたがライブラリと他のコードをリンクするならば、あなたは受け 取る人がライブラリに変更を加えてそれを再コンパイルしたのちにそういったコードを ライブラリと再リンクできるよう、彼らに完全なオブジェクトファイルを提供しなけれ ばなりません。そして、あなたは彼らに対して以下で述べる条件を示し、彼らに自らの 持つ権利について知らしめるようにしなければなりません。 私たちはあなたの権利を二段階の手順を踏んで保護します。(1) まずライブラリに対し て著作権を主張し、そして (2) あなたに対して、ライブラリの複製や頒布または改変に ついての法的な許可を与えるこの契約書を提示します。 個々の頒布者を保護するため、私たちはフリーなライブラリには何の保証も無いという ことを極めて明確にしておきたいと思います。また、ライブラリが誰か他人によって改 変され、それが次々と頒布されていったとしても、その受領者は彼らが手に入れたライ ブラリがオリジナルのバージョンでは無いこと、そして原作者の名声は他人によって持 ち込まれた可能性のある問題によって影響されることがないということが分かるように したいと思います。 最後に、ソフトウェア特許がいかなるフリーのプログラムの存在にも不断の脅威を投げ かけていますが、私たちは、一企業が特許保有者から制約の厳しいライセンスを得るこ とによって、フリーなプログラムのユーザを事実上制限するようなことがないよう保証 したいと思います。そこで、私たちはあるライブラリ向けに得られたいかなる特許ライ センスも、このライセンスで規定されている利用の自由を完全に満たしていなければな らないと要求します。 いくつかのライブラリを含め、GNU ソフトウェアのほとんどは通常のGNU一般公衆利用許 諾契約書によって保護されています。このライセンス、「GNU 劣等一般公衆利用許諾契 約書」は、ある種の特定のライブラリに適用されるもので、通常の一般公衆利用許諾書 とはかなり異なっています。私たちはある種のライブラリについて、それを非フリーな プログラムとリンクすることを許可する場合にはこの契約書を適用しています。 あるライブラリがあるプログラムとリンクされる場合、それが静的にリンクされるか共 有ライブラリとして利用されるかは問わず、両者の結合したものは法的に言って結合著 作物、すなわち元のライブラリの派生物となります。このような場合、通常の一般公衆 利用許諾書では、全体としての結合物がライセンスの規定する自由の基準に適合する場 合のみそのようなリンクを許可しています。いっぽう劣等一般公衆利用許諾書では、ラ イブラリを他のコードとリンクする許可に関して、より緩い基準で評価します。 私たちはこのライセンスを「劣等」一般公衆利用許諾契約書と呼びますが、それはこの ライセンスが、ユーザの自由を護るということについて通常の一般公衆利用許諾契約書 よりも「劣る」からです。また、このライセンスは非フリーなプログラムと競争する上 で、他のフリーソフトウェア開発者たちにより小さな優位しかもたらしません。こうい った不利な点があるので、私たちは多くのライブラリに通常の一般公衆利用許諾契約書 を適用しています。しかし、ある特殊な状況下では劣等ライセンスを適用した方が有利 なこともあります。 例えば、稀なこととは言え、あるライブラリがデファクトスタンダードになるように、 そのライブラリの可能な限り広汎な利用を促進する特別な必要が生じることがあります 。これを達成するためには、非フリーなプログラムでもライブラリが使えるよう許可し なければなりません。それほど珍しくない事例としては、フリーなライブラリが、広く 使われている非フリーなライブラリと同じ機能を提供するという場合があります。この 場合、フリーなライブラリをフリーソフトウェアにおける使用のみに制限しても得られ るものはほとんどありませんから、私たちは劣等一般公衆許諾契約書を適用しています 。 他のケースとしては、ある特定のライブラリを非フリーなプログラムにおいても利用で きるようにすると、より多くの人々が大多数としてのフリーソフトウェアを使うことが 可能となる場合があります。例えば、GNU C ライブラリを非フリーなプログラムにおい て利用する許可を与えれば、より多くの人々がGNU オペレーティングシステム全体、あ るいは同様にその変種である GNU/Linux オペレーティングシステムも使えるようになる のです。 たとえ劣等一般公衆利用許諾書がユーザの自由を保護するという観点からは「劣る」も のであっても、LGPLで保護されたライブラリとリンクされているあるプログラムのユー ザが、そのプログラムをライブラリの修正版を使って実行する自由とそのために必要な 手段を有することは十分に保証されます。 複製や頒布、改変についての正確な条件と制約は以下で述べていきます。「ライブラリ を基にした著作物」と「ライブラリを利用する著作物」の違いによく注意してください 。前者はライブラリから採られたコードを含んでおり、一方後者は実行するためにライ ブラリと結合されなければならないということを意味しています。 複製、頒布、改変に関する条件と制約 0. この利用許諾契約は、そのソフトウェアライブラリ(またはその他のプログラム)をこ の劣等一般公衆利用許諾契約書(「この契約書」とも表記)の定める条件の下で頒布する ことができる、という告知が著作権者かその他正当な権利を有する団体によって記載さ れたソフトウェアライブラリまたはその他のプログラムに適用される。それぞれの契約 者は「あなた」と表現される。 「ライブラリ」とはソフトウェア関数やデータを集めたもので、(ライブラリに含まれる いくつかの関数やデータを利用する)アプリケーションプログラムとリンクして実行形式 を作成するのに便利なよう準備されたものを意味する。 以下で「『ライブラリ』」と表記した場合は、この契約書で指定された条件に従って頒 布されているソフトウェアライブラリまたはそのような著作物全般を意味する。「ライ ブラリを基にした著作物」とは、『ライブラリ』か、著作権法が規定するその派生物す べてのどちらかを指す。すなわち、『ライブラリ』かその一部を、全く同一のままか、 改変を加えたか、あるいは直接他の言語に翻訳された形で含む著作物のことである(「改 変」という語の本来の意味からはずれるが、以下では翻訳も改変の一種と見なす)。 ある著作物の「ソースコード」とは、それに対して改変を加える上で好ましいとされる 著作物の形式を意味する。あるライブラリにとって完全なソースコードとは、それが含 むモジュールすべてのソースコード全部に加え、関連するインターフェース定義ファイ ルのすべてとライブラリのコンパイルやインストールを制御するために使われるスクリ プトをも加えたものを意味する。 複製や頒布、改変以外の活動はこの契約書ではカバーされない。それらはこの契約書の 対象外である。『ライブラリ』を利用するプログラムを実行する行為自体に制限はない 。また、そのようなプログラムの出力結果は、その内容が『ライブラリ』を基にした著 作物を構成する場合のみこの契約書によって保護される(プログラムを書くために使われ るツールでの『ライブラリ』の利用は関係ない)。このような線引きの妥当性は、『ライ ブラリ』が何をするのか、そして『ライブラリ』を利用するプログラムが何をするのか に依存する。 1. それぞれの複製物において適切な著作権表示と保証の否認声明(disclaimer of warranty)を目立つよう適切に掲載し、またこの契約書および一切の保証の不在に触れた 告知すべてをそのまま残し、そしてこの契約書の複製物を『ライブラリ』と共に頒布す る限り、あなたは『ライブラリ』の完全なソースコードの複製物を、あなたが受け取っ た通りの形で複製または頒布することができる。媒体は問わない。 あなたは、複製を譲渡するという物理的行為について手数料を課しても良いし、希望に よっては手数料を取って交換における保護の保証を提供しても良い。 2. あなたは自分の『ライブラリ』の複製物かその一部を改変して『ライブラリ』を基に した著作物を形成し、そのような改変点や著作物を上記第1節の定める条件の下で複製ま たは頒布することができる。ただし、そのためには以下の条件すべてを満たしていなけ ればならない: a) 改変された著作物はそれ自身がソフトウェアライブラリでなければならない。 b) あなたがそれらのファイルを変更したということと変更した日時が良く分かるよう、 改変されたファイルに告示しなければならない。 c) あなたはいかなる第三者に対しても、著作物全体をこの契約書の定める条件に従って 利用することを無償で許可しなければならない。 d) 改変された『ライブラリ』に含まれる機能が、その機能を利用するアプリケーション プログラムから提供される関数ないしデータのテーブルを参照している場合(機能が実行 される際に引数として渡される場合は除く)、あなたは、アプリケーションがそのような 関数やテーブルを提供しない場合でもその機能が依然動作し、その目的のどの一部分に ついても意味のある処理をこなし続けるよう保証するべく十分に誠実な努力をしなけれ ばならない。 (例えば、あるライブラリに平方根を計算する関数が含まれているとすると、その関数に はアプリケーションからは明確かつ完全に独立した目的がある。そこで、小節2dではこ の関数によって使われるいかなるアプリケーション提供の関数またはテーブルも必須の ものであってはならないと要求している。すなわち、アプリケーションがそれらを提供 しない場合でも、平方根関数は依然として平方根を計算できなければならない。) 以上の必要条件は全体としての改変された著作物に適用される。著作物の一部が『ライ ブラリ』から派生したものではないと確認でき、それら自身別の独立した著作物である と合理的に考えられるならば、あなたがそれらを別の著作物として分けて頒布する場合 、そういった部分にはこの契約書とその条件は適用されない。しかし、あなたが同じ部 分を『ライブラリ』を基にした著作物全体の一部として頒布するならば、全体としての 頒布物は、この契約書が課す条件に従わなければならない。というのは、この契約書が 他の契約者に与える許可は『ライブラリ』丸ごと全体に及び、誰が書いたかは関係なく 各部分のすべてを保護するからである。 よって、すべてあなたによって書かれた著作物に対し、権利を主張したりあなたの権利 に異議を申し立てることはこの節の意図するところではない。むしろ、その趣旨は『ラ イブラリ』を基にした派生物ないし集合著作物の頒布を管理する権利を行使するという ことにある。 また、『ライブラリ』を基にしたわけではないその他の著作物を『ライブラリ』(あるい は『ライブラリ』を基にした著作物)と一緒に集めただけのものを一巻の保管装置ないし 頒布媒体に収めても、その他の著作物までこの契約書が保護する対象になるということ にはならない。 3. あなたは『ライブラリ』のあるコピーに対して、このライセンスの代わりに通常の GNU 一般公衆利用許諾契約書の条件を適用しても良い。そうするためには、あなたはこ のライセンスに言及する告知をすべて、それらがこのライセンスではなく通常の GNU 一 般公衆利用許諾書バージョン2を指すよう変更しなければならない。(もし通常の GNU 一 般公衆利用許諾契約書のバージョン2よりも新しいバージョンが登場していたならば、あ なたは希望によっては代わりにそのバージョンを指定することができる)。これらの告知 には、その他のいかなる改変も加えてはならない。 いったんあるコピーにこの改変が為されたならば、そのコピーに関してはそれを覆すこ とはできない。よって、そのコピーからその後作られたコピーと派生著作物のすべてに は通常の GNU 一般公衆利用許諾契約書が適用されることになる。 この選択肢は、あなたが『ライブラリ』のコードの一部をライブラリではないプログラ ムの一部としてコピーしたい場合に有用である。 4. あなたは上記第1節および2節の条件に従い、『ライブラリ』(あるいはその一部、ま たは第2節における派生物)をオブジェクトコードないし実行形式で複製または頒布する ことができる。ただし、その場合あなたはそれらに対応する完全かつ機械で読み取り可 能なソースコードを添付し、上記第1節および2節の条件に従いソフトウェアの交換で習 慣的に使われる媒体で頒布しなければならない。 オブジェクトコードの頒布が、指定された場所からコピーするためのアクセス手段を提 供することで為されるとして、その上でソースコードも同等のアクセス手段によって同 じ場所からコピーできるようになっているならば、オブジェクトコードと一緒にソース も強制的にコピーされるようになっていなくてもソースコード頒布の条件を満たすもの とする。 5. 『ライブラリ』のいかなる部分の派生物も含まないが、それとコンパイルされるかリ ンクされることにより『ライブラリ』と共に動作するようデザインされているプログラ ムは、「『ライブラリ』を利用する著作物」と呼ばれる。そのような著作物は、単体で は『ライブラリ』の派生著作物ではないので、この契約書の範囲外に置かれる。 しかし、「『ライブラリ』を利用する著作物」に『ライブラリ』をリンクして実行形式 を作成すると、それは「『ライブラリ』を利用する著作物」ではなく、『ライブラリ』 の派生物となる(なぜならそれは『ライブラリ』の一部を含んでいるから)。そこで、実 行形式はこのライセンスで保護される。第6節ではそのような実行形式の頒布の条件を述 べる。 「『ライブラリ』を利用する著作物」が、『ライブラリ』の一部であるヘッダファイル から採られたコード等を利用する場合、ソースコードはそうではなくても、その著作物 をオブジェクトコードにしたものは『ライブラリ』の派生物になる可能性がある。これ が真であるかは、その著作物が『ライブラリ』抜きでもリンクされうる場合、あるいは 著作物がそれ自身ライブラリの場合特に重要である。これが真になるための閾値は法で は正確には定義されていない。 もしそのようなオブジェクトファイルが、数字のパラメタやデータ構造のレイアウト、 アクセス機構または小さなマクロや小さなインライン関数(長さが 10行かそれ以下)のみ 利用するならば、そのオブジェクトファイルの利用は、それが法的に派生物とみなされ ようとみなされまいと制限されない。(このオブジェクトコードに加えて『ライブラリ』 の一部を含む実行形式は依然として第6節の条件下に置かれるであろう)。 他の場合、著作物が『ライブラリ』の派生物ならば、あなたはその著作物をオブジェク トコードにしたものを第6節の条件に従って頒布することができる。そういったオブジェ クトコードが直接『ライブラリ』自身とリンクされているかどうかは問わず、その著作 物を含むいかなる実行形式の利用も第6節の条件に従わなければならない。 6. 上記各節の例外として、あなたは「『ライブラリ』を利用する著作物」を『ライブラ リ』と結合またはリンクして、『ライブラリ』の一部を含む著作物を作成し、その著作 物をあなたが選んだ条件の下で頒布することもできる。ただしその場合、あなたの条件 は顧客自身の利用のための著作物の改変を許可し、またそのような改変をデバッグする ためのリバースエンジニアリングを許可していなければならない。 あなたは著作物のそれぞれのコピーに、『ライブラリ』がその著作物の中で用いられて いることと、その利用はこのライセンスで保護されていることを述べたはっきりとした 告知を載せねばならない。また、あなたはこのライセンスのコピーを一部提供しなけれ ばならない。もし著作物が実行時に著作権表示を表示するならば、あなたはその中に『 ライブラリ』の著作権表示を含めなければならず、更にユーザにこのライセンスのコピ ーの在処を示す参照文も含めなければならない。また、あなたは以下のうちどれか一つ を実施しなければならない: a) 著作物に、著作物の中で行われたあらゆる改変点(それらの改変点は上記第1節および 2節の条件に従って頒布されなければならない)をすべて含む、『ライブラリ』の対応す る完全かつ機械で読み取り可能なソースコードを添付する。もし著作物が『ライブラリ 』とリンクされた実行形式ならば、著作物を完全かつ機械読み取り可能な「『ライブラ リ』を利用する著作物」のオブジェクトコードあるいはソースコード(どちらかでも可) と一緒にし、ユーザが『ライブラリ』を改変した後に再リンクして、改変された『ライ ブラリ』を含む改変された実行形式を作成できるようにする(ここでは、『ライブラリ』 に含まれる定義ファイルの内容を改変したユーザは、改変された定義を利用するために アプリケーションを再コンパイルすることができる必要は必ずしも無いと理解されてい る)。 b)『ライブラリ』とのリンクに適切な共有ライブラリ機構を用いる。適切な機構とは (1) ライブラリの関数を実行形式にコピーするのではなく、実行時にすでにユーザのコ ンピュータシステム上に存在するライブラリのコピーを利用し、そして (2) ユーザがラ イブラリの修正版をインストールした場合でも、そのような修正版が著作物が作られた 版とインターフェース的に互換である限り、修正版のライブラリでも適切に動作するよ うになっているものである。 c) 著作物に、著作物を受け取ったユーザに対し、上記小節6aで指定されたものを、頒布 に要するコストを上回らない程度の手数料と引き換えに提供する旨述べた少なくとも3年 間は有効な書面になった申し出を添える。 d) 著作物の頒布が指定された場所からコピーするためのアクセス手段の提供によって為 される場合、上記で指定されたものを同じ場所からコピーするのに要する同等のアクセ ス手段を提供する。 e) そのユーザが以上で指定されたもののコピーをすでに受け取っているか、あなたがす でにこのユーザにコピーを送ったかどうか確かめる。 ある実行形式について、「『ライブラリ』を利用する著作物」は、それから実行形式を 複製する際必要なデータまたはユーティリティプログラムをすべて含めた形で頒布され なければならない。しかし特別な例外として、その部分自体が実行形式に付随するので は無い限り、頒布されるものの中に、実行形式が実行されるオペレーティングシステム の主要な部分(コンパイラやカーネル等)と通常一緒に(ソースかバイナリ形式のどちらか で)頒布されるものすべてを含んでいる必要はないとする。 この必要条件が、オペレーティングシステムには通常付随しない、その他の独占的なラ イブラリのライセンスの制限と矛盾することがあるかもしれない。そのような矛盾が生 じた場合、それはあなたがそういった独占的なライブラリと『ライブラリ』を、あなた が頒布する実行形式の中で両方とも使うことはできないということを意味する。 (訳注: 本契約書で「独占的(proprietary)」とは、ソフトウェアの利用や再頒布、改変 が禁止されているか、許可を得ることが必要とされているか、あるいは厳しい制限が課 せられていて自由にそうすることが事実上できなくなっている状態のことを指す。詳し くはhttp://www.gnu.org/philosophy/categories.ja.html#ProprietarySoftware を参照 せよ。) 7. あなたは、『ライブラリ』を基にした著作物であるライブラリの一部分を、このライ センスで保護されていない他のライブラリの一部分と一緒に一つのライブラリ中で併存 させることができ、またそのような結合されたライブラリを頒布することができる。た だし、その場合『ライブラリ』を基にした著作物とその他のライブラリの部分を分離し た頒布も許可されていなければならず、また以下の二点を行わなければならない: a) 結合されたライブラリに、同じ『ライブラリ』を基にした著作物の、他のいかなるラ イブラリ機構とも結合していないコピーを添付する。これは上記各節の条件の下で頒布 されなければならない。 b) 結合されたライブラリに、その一部が『ライブラリ』を基にした著作物であるという 事実と、同じ著作物の対応する結合されていない形式をどこで見つけられるか説明する はっきりとした告知を載せる。 8. あなたは『ライブラリ』を、この契約書において明確に提示された行為を除き複製や 改変、サブライセンス、リンク、あるいは頒布してはならない。他に『ライブラリ』を 複製や改変、サブライセンス、リンク、あるいは頒布する企てはすべて無効であり、こ の契約書の下でのあなたの権利を自動的に終結させることになろう。しかし、複製物や 権利をこのライセンスに従ってあなたから得た人々に関しては、そのような人々がこの 契約書に完全に従っている限り彼らのライセンスまで終結することはない。 9. あなたはこの契約書を受諾する必要は無い。というのは、あなたはこれに署名してい ないからである。しかしながら、他にあなたに対して『ライブラリ』やその派生物を改 変または頒布する許可を与えるものは存在しない。これらの行為は、あなたがこの契約 書を受け入れない限り法によって禁じられている。そこで、『ライブラリ』(あるいは『 ライブラリ』を基にした著作物全般)を改変ないし頒布することにより、あなたは自分が そのような行為を行うためにこの契約書を受諾したということ、そして『ライブラリ』 とそれに基づく著作物の複製や頒布、改変についてこの契約書が課す制約と条件をすべ て受け入れたということを示したものと見なす。 10. あなたが『ライブラリ』(または『ライブラリ』を基にした著作物全般)を再頒布す るたびに、その受領者は元々のライセンス許可者から、この契約書で指定された条件と 制約の対象となっている『ライブラリ』を、複製や頒布、リンク、あるいは改変する許 可を自動的に得るものとする。あなたは、受領者がここで認められた権利を行使するこ とに関してこれ以上他のいかなる制限も課してはならない。あなたには、第三者がこの 契約書に従うことを強制する責任はない。 11. 特許侵害あるいはその他の理由(特許関係に限らない)から、裁判所の判決あるいは 申し立ての結果としてあなたに(裁判所命令や契約など)このライセンスの条件と矛盾す る制約が課された場合でも、あなたがこの契約書の条件を免除されるわけではない。も しこの契約書の下であなたに課せられた責任と他の関連する責任を同時に満たすような 形で頒布できないならば、結果としてあなたは『ライブラリ』を頒布することが全くで きないということである。例えば特許ライセンスが、あなたから直接間接を問わずコピ ーを受け取った人間が誰でも『ライブラリ』を使用料無料で再頒布することを認めてい ない場合、あなたがその制約とこのライセンスを両方とも満たすには『ライブラリ』の 頒布を完全に中止するしかないだろう。 この節の一部分が特定の状況の下で無効ないし実施不可能な場合でも、節の残りは適用 されるよう意図されている。その他の状況では節が全体として適用されるよう意図され ている。 特許やその他の財産権を侵害したり、そのような権利の主張の効力に異議を唱えたりす るようあなたを誘惑することがこの節の目的ではない。この節には、人々によってライ センス慣行として実現されてきた、フリーソフトウェア頒布のシステムの完全性を護る という目的しかない。多くの人々が、フリーソフトウェアの頒布システムが首尾一貫し て適用されているという信頼に基づき、このシステムを通じて頒布される多様なソフト ウェアに寛大な貢献をしてきたのは事実であるが、人がどのようなシステムを通じてソ フトウェアを頒布したいと思うかはあくまでも作者/寄与者次第であり、あなたが選択を 押しつけることはできない。 この節は、この契約書のこの節以外の部分の一帰結になると考えられるケースを徹底的 に明らかにすることを目的としている。 12. 『ライブラリ』の頒布や利用が、ある国においては特許または著作権が主張された インターフェースのいずれかによって制限されている場合、『ライブラリ』にこの契約 書を適用した元の著作権者は、そういった国々を排除した明確な地理的頒布制限を加え 、そこで排除されていない国の中やそれらの国々の間でのみ頒布が許可されるようにし ても構わない。その場合、この制限はこの契約書本文で書かれているのと同様に見なさ れる。 13. フリーソフトウェア財団は、時によって改訂または新版の劣等一般公衆利用許諾書 を発表することができる。そのような新版は現在のバージョンとその精神においては似 たものになるだろうが、新たな問題や懸念を解決するため細部では異なる可能性がある 。 それぞれのバージョンには、見分けが付くようにバージョン番号が振られている。『ラ イブラリ』においてそれに適用されるこの契約書のバージョン番号が指定されていて、 更に「それ以降のいかなるバージョン(any later version)」も適用して良いとなってい た場合、あなたは従う条件と制約として、指定のバージョンか、フリーソフトウェア財 団によって発行された指定のバージョン以降の版のどれか一つのどちらかを選ぶことが 出来る。『ライブラリ』でライセンスのバージョン番号が指定されていないならば、あ なたは今までにフリーソフトウェア財団から発行されたバージョンの中から好きに選ん で構わない。 14. もしあなたが『ライブラリ』の一部を、その頒布条件がこの契約書と矛盾する他の フリープログラムと統合したいならば、作者に連絡して許可を求めよ。フリーソフトウ ェア財団が著作権を保有するソフトウェアについては、フリーソフトウェア財団に連絡 せよ。私たちは、このような場合のために特別な例外を設けることもある。私たちが決 定を下すにあたっては、私たちのフリーソフトウェアの派生物すべてがフリーな状態に 保たれるということと、一般的にソフトウェアの共有と再利用を促進するという二つの 目標を規準に検討されるであろう。 無保証について 15. 『ライブラリ』は代価無しに利用が許可されるので、適切な法が認める限りにおい て、『ライブラリ』に関するいかなる保証も存在しない。書面で別に述べる場合を除い て、著作権者、またはその他の団体は『ライブラリ』を、表明されたか言外にかは問わ ず、商業的適性を保証するほのめかしやある特定の目的への適合性(に限られない)を含 む一切の保証無しに「あるがまま」で提供する。『ライブラリ』の質と性能に関するリ スクのすべてはあなたに帰属する。『ライブラリ』に欠陥があると判明した場合、あな たは必要な保守点検や補修、修正に要するコストのすべてを引き受けることになる。 16. 適切な法か書面での同意によって命ぜられない限り、著作権者、または上記で許可 されている通りに『ライブラリ』を改変または再頒布したその他の団体は、あなたに対 して『ライブラリ』の利用ないし利用不能で生じた一般的、特別的、偶然的、必然的な 損害(データの消失や不正確な処理、あなたか第三者が被った損失、あるいは『ライブラ リ』が他のソフトウェアと一緒に動作しないという不具合などを含むがそれらに限らな い)に一切の責任を負わない。そのような損害が生ずる可能性について彼らが忠告されて いたとしても同様である。 条件と制約終わり 以上の条件をあなたが書いた新しいライブラリに適用するには あなたが新しいライブラリを開発したとして、公衆によってそれが利用される可能性を 最大にしたい場合には、そのライブラリを誰でも再頒布あるいは変更できるようフリー ソフトウェアにすることをおすすめします。ライブラリの再頒布を以上で述べた条件(あ るいは代わりに通常の一般公衆利用許諾契約書)の下で許可することによって、あなたは そのライブラリをフリーソフトウェアにすることができます。 以上の条件を適用するには、以下で示す告知をライブラリに付け加えて下さい。保証が 存在しないということを確実に伝達するという意味で、最も安全なのはそれぞれのソー スファイルの先頭にこれらの告知を付け加えることです。また、それぞれのファイルに は少なくとも「著作権」のくだりと完全な告知の在処へのポインタが含められているべ きです。 one line to give the library's name and an idea of what it does. Copyright (C) year name of author This library is free software; you can redistribute it and/or modify it under the terms of the GNU Lesser General Public License as published by the Free Software Foundation; either version 2.1 of the License, or (at your option) any later version. This library is distributed in the hope that it will be useful, but WITHOUT ANY WARRANTY; without even the implied warranty of MERCHANTABILITY or FITNESS FOR A PARTICULAR PURPOSE. See the GNU Lesser General Public License for more details. You should have received a copy of the GNU Lesser General Public License along with this library; if not, write to the Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111-1307 USA (訳: ライブラリの名前と、それが何をするのかについての簡単な説明。 Copyright (C) 年作者の名前 このライブラリはフリーソフトウェアです。あなたはこれを、フリーソフトウェア財団 によって発行されたGNU 劣等一般公衆利用許諾契約書(バージョン2.1 か、希望によって はそれ以降のバージョンのうちどれか)の定める条件の下で再頒布または改変することが できます。 このライブラリは有用であることを願って頒布されますが、*全くの無保証* です。商業 可能性の保証や特定の目的への適合性は、言外に示されたものも含め全く存在しません 。詳しくはGNU 劣等一般公衆利用許諾契約書をご覧ください。 あなたはこのライブラリと共に、GNU 劣等一般公衆利用許諾契約書の複製物を一部受け 取ったはずです。もし受け取っていなければ、フリーソフトウェア財団まで請求してく ださい(宛先は the Free Software Foundation, Inc., 59 Temple Place, Suite 330, Boston, MA 02111-1307 USA)。 また、電子ないし紙のメールであなたに問い合わせる方法についての情報も書き加えま しょう。 また、あなたは、必要ならば(プログラマーとして働いていたら)あなたの雇用主、ある いは場合によっては学校から、そのライブラリに関する「著作権放棄声明(copyright disclaimer)」に署名してもらうべきです。以下は例ですので、名前を変えてください: Yoyodyne, Inc., hereby disclaims all copyright interest in the library Frob' (a library for tweaking knobs) written by James Random Hacker. signature of Ty Coon, 1 April 1990 Ty Coon, President of Vice (訳: Yoyodyne, Inc.,はここに、James Random Hacker氏が書いたライブラリ「Frob」(ノブを ひねるためのライブラリ) に関するすべての著作権を放棄します。 Ty Coon氏の署名、1990年4月1日 Ty Coon、副社長 あなたがしなければならないことはこれで全部です! [ページ情報] 更新日時: 2008-04-11 18:23:13, 更新者: sado [ライセンス] Creative Commons License クリエイティブ・コモンズ表示 [URL] http://sourceforge.jp/projects/opensource/wiki/licenses%2FGNU_Library_or_Lesser_General_Public_License